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2017.03.04

【偏食は個性】海外と日本の食文化や考え方のちがいって?

hazuki ライター

日本人なら、誰もが子供の頃に「好き嫌いせず食べなさい」と言われたことがあると思います。健康や栄養面、また好き嫌いがないほうがいずれ大人になったときにさまざまな場面で困らないであろうという親心が感じられます。

日本で言うところの好き嫌いというのは、ほとんどの場合、特有の野菜や肉など、素材そのものを指すことが多いですよね。例えば、「にんじんが苦手」「魚がキライ」などなど。この「好き嫌い」や「偏食」という概念、海外ではひとつの「個性」として考えられる場合があります。最近では日本でも食への意識の高まりから「あえて食べない」ことを選ぶ人も増えてきています。
では、ひと言で「好き嫌い」や「偏食」で片づけられない場合というのはどのようなことなのでしょう。

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「好き嫌い」や「偏食」のひと言では片づけられない多様な文化の存在

私(ライターhazuki)がかつて暮らしていたカナダ、トロントは多民族都市。世界中から人が集まってできている街であり、皆自分たちの言葉や文化を守りながら、英語という共通語を通じてこの街に共存しています。

このような街では、食習慣に関して「好き嫌い」や「偏食」にもそれぞれに事情があることがあります。宗教的な食べ物の制限だったり、文化の中に深く根付いている伝統、習慣をもつ人が周囲にいることが日常だから。これって日本ではあまり意識しないことですよね。しかし、多様な文化の街では、日本では当たり前の全員が同じ食事をする「給食」もありませんでした。

近年では日本で暮らす外国人や留学生も増えています。文化や習慣の違いを「おかしい」とするのはナンセンス。食に限らず、私たち日本人の常識が世界の常識ではありません。違いを「知る」、そして「認める」「受け入れる」ことが大切です。特定のものを「食べない」人がいたとして、状況によっては「偏食」や「好き嫌い」などというネガティブな概念でもなんでもないことがあると理解し、無理強いするようなことは避けたいものです。

「好き嫌い」や「偏食」ではなく「食べない」ことを選ぶライフスタイルもある

近年よく雑誌やWebなどにも大体的にとりあげられるようになったヴィーガンやべジタリアン。大雑把に言うと、ヴィーガンは、乳製品、蜂蜜等も含む動物性の食品を一切食べない人。ベジタリアンは、野菜や果物のほか卵や乳製品は食べる人のことを指すことが多いです(厳密に言うと乳製品は食べるが卵は食べないベジタリアンもいるなどもっと細かく細分化されています)。
これらの「特定のものを食べない」ことを自らの意思で選んでいる人もいることを私たちは受け入れるべきです。さらに子供のころから菜食主義の家で育った場合には、それが彼らにとっては「当たり前」の食生活なのですから。

ティーンエイジャーになり自分のライフプランを立てる時期をきっかけに菜食主義になる人もいます。大人になって社会に出てからも「食べない」ことを選ぶ人も多くいます。
「動物を殺したくない」「肉の成分は体に良くない」「野菜だけを食べる方が健康に良い」「肉食は攻撃的になる」などなど、その理由は実にさまざま。こういった自分の生き方として食生活を選ぶということも、日本では一般的にあまり身近にない考えですよね。

個人的な体験では、ヴィーガンの友人とアパートをシェアしたことがあるのですが、ある日家でパーティをする予定で、大きなスペアリブをオーブンで焼いていたら、煙が2Fに住む友人の部屋まで行ってしまい、友人が本当に体調を崩してしまいました。匂いだけでも気分が悪くなってしまうほど、肉を受けつけない体になっているとはつゆ知らず…とても申し訳ないことをしたと今でも思っています。そのヴィーガンの友人は私が肉を食べるという理由から、調理器具や食器も私と共有することがないほどの徹底ぶりでしたが、なぜか食器を洗うスポンジは共有していました(笑)。

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食べ物の好き嫌いを個性として考えてみる

カナダのトロント在住時、「子供は好き嫌いをするもの」と書かれたポスターを見かけたことがありました。どの国においても子供の好き嫌いに親は手を焼いているものなのですが、このポスターは「無理やり食べさせることはせず、好き嫌いも個性だと認めてあげましょう」と言っているのです。これが公共機関の広告だったのでわたしはとても驚きました。私が生まれ育った日本では、子供の好き嫌いは「よくない」イメージがありますから。もちろん子供が食べたがるものだけ与えることは問題です。大人として、親として、子供の好き嫌いを認めながら、食生活を工夫してあげるべきことを促しているメッセージなのです。

各国ごとに食べる順番のよいとされるセオリーに違いあり

最近でこそ、日本でも食事は野菜から食べることで脂肪の吸収を抑えることができるという考え方が浸透してきましたが、食卓に並ぶものを1種類ずつ食べ終えていくのは一般的ではないですよね。日本の食卓には数種類の副菜と主菜がいっぺんに並びます。それをバランスよく順繰りに少しずつ時間をかけて食べていくという、いわゆる「三角食べ」と呼ばれている食べ方が日本ではよいとされています。

ところが、カナダのトロントではこのような食べ方をする人がいません。レストランではメインディッシュの後からサラダやスープが出てきても手をつけないお客さんもいるほど。つまり彼らにとっては、サラダやスープ→メインディッシュというコース料理のような順番で、一品ずつ食べていくというのが普通の食事の仕方なのです。現地のレストランでアルバイトをした時に最初に教わったことも、サラダやスープをまず出すことでした。それは日本食レストランでも同じです。

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いかがでしょうか。食に対する考え方や食べ方も所変われば変わるものですね。世界中に様々な料理が存在するように、食は文化の一部ですからそれも当然のことなのかもしれません。海外に出たときはこのような視点で、現地の人々を観察し、融けこむようにするのも面白いですし、また海外からきた人の食文化を排除したり、白い目で見ることなく配慮をもてる人になれたら素敵ですよね。

 
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