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2017.05.01

【こどもの日】江戸下町気分を浸れる「こども歌舞伎」を観賞しませんか?

築地初心者の週末TSUKIJI散歩【23】T.KOMURO
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超高齢化社会が到来。平均寿命は2065年には男性84.95歳、女性91.35歳に

4月10日、テレビ、新聞は、国立社会保障・人口研究所が公表した、日本の将来人口推計に関するデータを一斉に報じました。それによると、2015年時点で1億2709万人だった日本の人口は漸減傾向が続き、2053年には1億人を切り、2065年には8808万人になるということです。この人口は63年前、1954年の水準です。加えて懸念されているのが少子高齢化、とりわけ超高齢化社会の到来です。

平均寿命は2015年の男性80.75歳、女性86.98歳が、2065年には男性84.95歳、女性91.35歳になると予測。まさに女性は佐藤愛子先生のベストセラー「九十歳。何がめでたい」がフツーの年齢になる社会が訪れます。65歳以上の高齢者率は現在の26.06%が38.4%に。すでに日本老年学会等のワーキンググループから提言されているように、この時代には高齢者の定義は75歳以上になっていることでしょう。

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▲築地から見た佃島~月島のタワーマンション群。月島では再開発が続いており、まだ増えそうな感じです。

では、全国で最も人口増加率が大きい(0.8%)東京都。その中でも中心部はどうなっているのでしょうか。実は築地のある中央区は今、かなりの勢いで人口が増加しつつあるのです。今年の1月13日、「中央区の人口が55年ぶりに15万人を突破した」という発表が矢田美英区長からありました。55年前といえば昭和37年(1962年)。以降人口は減り続け、平成9年(1997年)には最低の7万1806人に。しかし、それからは増加の一途。20年間で倍増し、2024年ごろには20万人になるとの推計がなされています。

東京一極集中の弊害が指摘されるなかで、人口増加は単純に喜べる問題でないことは確かです。ただ、中央区の統計によれば、全世代で人口は増加しているものの、2014年時点での高齢化率は16.30%で東京都(21.55%)や国(26.06%)を下回り、減少傾向を示しているとのこと。直近は15.85%まで下がり、区は今後も下がり続けると予測しているのです。

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▲中央区の新築マンションの新聞折り込み広告。ちょっと価格が上がり気味なのが気になるところ。それにしても、住所が明石町や湊の建物に「銀座東」と命名するセンスはいかがなものでしょう。

湾岸部ではこども人口も増加中

このコラムの19回目で、居住して感じた「築地=コンパクトシティ」論を書きました。シニア世代だけでなく、あらゆる世代の住民にとって都心部の利便性は大。もちろんキャパには限界がありますが、おそらくは今後も人口増加は続くと思われます。朝日新聞の記事によれば、区は「今は増やすことが最重点でなく、増えた人口への対応が課題」(区民生活課)と語っているとのこと。ぜひ人口増加対策に行政の力を発揮してもらい、利便性の高いコンパクトシティをより推進してもらいたいものです。

そして湾岸部=佃島、月島、勝どき、晴海に次々と建設されるタワーマンションを中心とした新築物件に子育て世代が移住することにより、こども人口も増加中です。築地に居を移してすぐの土日、近所のあかつき公園で遊ぶこどもの数が多いことに驚きました。中央区の統計を見ても、1997年に9120人だった0~14歳人口が2016年には17635人に、0~5歳の乳幼児人口は2004年の4059人から2014年には7883人と、2倍近くに増加しているのです。こどもの存在が目立つわけですね。もちろん他の地域と同様、待機児童の問題がある(2016年・263人)のが悩ましい点ではありますが。

新富座こども歌舞伎、今年は10周年記念公演が5月5日に行われます

さて、前置きが大変長くなりましたが、今回はそんな中央区に暮らすこどもたちならではのお稽古事、そしてその晴れ舞台の紹介です。その名も「新富座こども歌舞伎」。発足したのは2007年。27名のこどもたちが所属し、稽古に励んでいます。

明治時代、新富町に東京一とうたわれた劇場がありました。それが新富座です。江戸時代に浅草にあった守田座が明治5年(1872年)、現在の新富2丁目に移転。3年後に地名に合わせて新富座と改称しました。翌年、大火で焼失してしまうのですが、明治11年(1878年)、より近代的な劇場として復活。ガス灯や外国人用の椅子席を設えた大規模な建物が話題となり、市川団十郎、尾上菊五郎、市川左団次などの名優を集め、積極的な興行を行いました。周囲は歌舞伎関係者が多く居住する「芝居町」となっていたそうです。

明治22年(1889年)に現在の場所に歌舞伎座が開業。新富座は大正12年(1923年)の関東大震災で焼失してしまい、残念ながら再建はなりませんでした。現在、その場所には京橋税務署が建ち、敷地内に記念プレートが置かれています(現在、京橋税務署は建て直し中のため、記念プレートは見られません)。

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▲三代広重による錦絵「東京第一之劇場 新富座大當ノ図」(郵政博物館蔵)。当時の賑わいの様子が偲ばれます。 出典:郵政博物館HP

そんな歴史を持つ中央区で、ふるさとの文化として継承していこうと発足したのが「新富座こども歌舞伎」の会。明石町の明石小学校や銀座の泰明小学校ほかで年数回の公演を行っています。筆者が初めて目にしたのは昨年2月、明石小学校体育館での節分祭公演でした。衣装、仕草、口上、どれをとっても大人顔負けの役者ぶり。懸命に演じるこどもたちに、体育館を埋め尽くした大勢の大人の観客は大声援を送っていました。

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▲2016年2月7日、明石小学校体育館での、新富座こども歌舞伎「鉄砲洲稲荷神社 節分祭公演」。観客席はほぼ満席。なかなかの熱演でした。

新富座こども歌舞伎、今年は10周年記念公演が5月5日に行われます。場所は東京メトロ八丁堀駅から近い、鉄砲洲児童公園の特設舞台(雨天時は公園隣の中央小学校にて)。14:00開演(開場は13:30。12:00より入場整理券配布)で入場無料です。10周年記念ということもあって演目は例年より多い「豪華四本立て」。毎年5月2~5日は鉄砲洲稲荷神社の例大祭が行われており、こども歌舞伎も神社の「奉納歌舞伎」として上演されます。こどもの日、ぜひ一度お出かけしてご覧になることをお勧めします。祭りとともに、しばし江戸下町気分に浸れることでしょう。

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▲江戸湊の入り口に鎮座する神社、鉄砲洲稲荷神社。1868年(明治元年)に現在地に移転。関東大震災で被害を受け、現在の社殿が整備されたのは1935年(昭和10年)です。

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▲5月5日、例大祭講演のちらし。豪華四本立てのうち、「菅原伝授手習鑑」と「元禄花見踊」の2本が初演です。

そうそう、もうひとつ、その1週間後、5月13日(土)は約300店舗が参加する、「年に一度の築地の逸品大放出!!」と銘打った、築地場外市場春まつり「半値市」が開催されます。スタートは9:00で売り切れ御免とのこと。こちらもお忘れなく。

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▲「半値市」のちらし。最近は観光客の多さに対応してか、日祝日も営業する店が増えた築地場外市場。連休中の5月3~5日も自由営業日なので賑わいそうです。

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T.KOMURO

編集者。
主として男性向け情報誌の編集長を歴任。
2015年5月、住居を築地に移し、
愛犬の悟空とともに週末TSUKIJIライフを楽しんでいる。

 
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