新・香港ガイド

2017.01.27

女性が働きやすい国、ホンコン2|新・香港ガイド

スーれいな 香港在住エディター
これまでの記事

前回、香港で女性が働くには欠かせないお手伝いさん(ヘルパー)の存在と、そのお仕事をご紹介しましたが、

今回はその続き。

ヘルパーの制度により、人々が持つ価値観とは? 実際私がお手伝いさんと暮らしてみて、どうだったか?をお伝えします。

生活スタイルにより、価値観も変わってくる

今まで香港で出会った日本人、外国人がそろって口にするのは

「香港は本当に女性が働きやすい国」

ということです。

外資金融で働く女性は「朝の電車は女性しかいないんじゃないかと思うこともあるくらい!」と表現するほど、たくさんの女性が働いています。

ただ、なぜそんなに女性が自由でいられるのか?

それは、あくまで個人的な感覚ですが、社会の意識ではないかという気がしています。

ある日、香港人の男性と話をしていたら、その男性の彼女の話になりました。彼女は金融で働いていて、もうすぐ結婚するそうなので、「結婚をしたら、彼女は仕事を辞めるの?」と聞いたところ…

「いやいや、考えられないよ!
香港の家賃は高いから、2人で働かないと生活できないよ。
特に新卒とか、社会に出たばかりだと家賃を払えないから、実家にいるのが当たり前で、
結婚してようやく家を出るのが一般的。
しかも香港はプライベートの年金しかないから、
働けるうちは2人で働いて将来のためにお金を貯めるんだよ。
子供ができたら、ヘルパーさんもプロだし、任せれば大丈夫」

という答えが返ってきました。

そもそも香港の男性は、奥さんが家事をやるものと思っていないし、むしろ働くのが前提。

妻が家事をするもの、と思っていた自分にもハッとしました。加えて家賃が高い香港(とある友人の家は中心街から電車で25分、約29m2で月に約¥300,000でした)は、結婚しても親と同居することも多く、両親も家事や育児を手伝ってくれます。家賃の高さゆえに、3世代に渡って住む生活スタイルがうまく作用して、みんなで仕事を分担して助け合っている印象です。

昼間でもまだ生まれたばかりの赤ちゃんを抱っこして、公園を散歩するご老人もたくさんいますし、祖父母やお父さんが学校の送り迎えをする姿も良く見かけます。すごく好循環の中にいるなーといつも思います。

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(写真/おじいちゃんが孫を抱っこひもで抱っこして散歩中)

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(写真/お父さんが娘と習い事のお迎えから一緒に帰宅しているところ)

加えて、香港は朝食をはじめとして、飲茶をしたり、テイクアウトをしたりする外食文化。
もちろん料理好きな人もいますが、「お母さんが料理をする」というプレッシャーが低いようです。一度娘の幼稚園の遠足について行ったときに、地元の子のお母さんたちが、子供のお弁当に買ったサンドイッチやパンと、ミニトマトだけいっぱい、とか、ぶどうを売られているプラスチックケースごと持ってきていて、料理が苦手な私でもかなり度肝を抜かれつつ、ちょっと安心しました(笑)。

香港でヘルパーさんを雇うことに

私自身、日本ではフルタイムで働いていたのですが、朝は娘の着替えやオムツを持って登園し、平日6時に主人か私が迎えに行って…という、いわゆる一般的なワーママ生活をしていました。
勤務中は、終業時間と同時にすぐ会社を出られるよう、いろんなことをバタバタと片付けて、時間ギリギリで迎えに行き、娘を寝かしつけるころには、心身ヘトヘト…。

当初は「家には一切、仕事を持ち込まない!」と密かに決意していたのですが、
物理的に終わらず、一度家に帰ってもそこから在宅で仕事をしたり、
時には戻ってきた主人と交代して会社に戻ることもありました。

けれど、日本の保育園は先生たちの面倒見の良さは本当に素晴らしく、日本にいた1歳半までは保育園が娘を育ててくれたと言っても過言ではないくらい感謝しています。

香港に来てから、はじめはヘルパーさんなしで生活していたのですが、やはり仕事をしたい!という欲がムクムクと…。

ありがたいことに、いろんな御縁もあって香港や日本からも仕事をいただけるようになったんです。でも、仕事をするということは、取材で外出することが増えたり、家でもパソコンに向かって原稿を書く時間が生まれるということ。でも、娘はまだ小さく、かまってほしさにいたずらをして、目が離せない状態…。最初のころは頑張ってみたのですが、まったく仕事にならず…。

このままでは、仕事も育児も中途半端になってしまう…。
そんな気がして、思い切ってヘルパーさんを雇うことを決意しました。

とはいえ、はじめは私もかなり抵抗がありました。
まったくの他人が、自分の家で生活することに違和感や不安もありましたし、保育園に行っていた娘は、小さいながらも社会があり、いろんなお友達や先生に接していました。
それを異国出身のヘルパーさんと、1対1にするのは、本当に不安で…。
また、ヘルパーの良い話ももちろん聞きますが、それと同じくらい、盗みや、音信不通になるなど悪い話も耳にしていたので…。

それでも!!
自分が仕事を辞めてから、社会との接点がなくなり、世間の動きなどに疎くなっていくうちに、どんどん取り残されていくような気分になってしまい…。
また、出産前の自分は、トコトン仕事をやり切っていない気もしたのです。そんな煮え切らない思いを友人に相談したときのこと。

「ヘルパーが香港の文化なら、それに馴染むように努力してみたら、うまく行くんじゃない? 文化になってるくらいなら、うまく社会がまわる理由があるはず。郷に入っては郷に従え、だよ」

と言われ、吹っ切れたんです。

思い切って雇ってみよう!と、
リサーチを始めると、運良く友人からちょうど契約が終わるヘルパーさんを紹介してもらい、何回か面接した後、あるヘルパーさんと契約することになりました。

つづく

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スーれいな 香港在住エディター

モード系、コンサバ系のファッション誌の編集を経て、フリーエディターとして活躍中。国際結婚を機に香港に移住し、現地で地元フリーペーパーに執筆や、日本の女性誌のライター、翻訳を行う。只今、ノマド海外ライフを送りながら、二歳の娘の育児に奮闘する日々。

 
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