パパ育児日記

2016.10.25

1歳10ヶ月の息子と2ヶ月に及ぶオトコふたり暮らしのはじまり|東京パパの育児クロニクル vol.5

脱サラ育児を決行した元広告代理店勤務の海(かい)パパによる育児コラム。

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それは突然やってきた。
妻が切迫早産で緊急入院。1歳10ヶ月の息子と2ヶ月に及ぶオトコふたり暮らしのはじまり。

妻は42歳。2回目の妊娠。それは1回目(長男)の時より格段にひどかったつわりがやっと落ち着きはじめた妊娠27週目の出来事だった。妻の定期検診には毎回付き添っていたのだが、この日に限って同行していなかった。なぜなら3日後に控えた一族総出の海外旅行にむけ、僕は長男の常備薬を近所の耳鼻科にもらいに行く必要があったからだ。

その朝は妻が一足早くタクシーで病院に向かい、僕が息子を保育園に送りとどけ、耳鼻科で薬をピックアップした後、妻を病院でひろい、妻と友人と僕で仕事の打ち合わせがてらランチをする予定だった。そのため朝から「どこにしよう」「なにを食べよう」など他愛もないLINEが妻とその友人と僕の間で飛び交っていた。

すると僕が耳鼻科で薬をピックアップし終わった時、病院にいる妻から新たなメッセージが入った。

「ごめん、今日やっぱりリスケさせて」

ドキッとした。

頼む、仕事であってくれ。心の中でそうつぶやいた。いや、ひょっとしたら実際に口から出ていたかもしれない。「どうしたの?」「大丈夫?」「わたしは大丈夫だよ! またね!」友人から一方的に入るLINEに返信できないまま、車のハンドルを強く握った。

それが本当に仕事の都合だったらどれだけ楽だったか。今思い返すと、あの瞬間に僕の全身を支配した緊張感と、そこから約2ヶ月間付き合うことになったのだ。妻の診断結果は切迫流産になる可能性が高いため即日入院。着替えを取りに帰る許可を出すことすら医師が躊躇するぐらいの状況だった。

清々しい春の陽気が漂う世田谷公園の前を、これから入院する妻を後部座席に乗せ走り抜けた。1歳10ヶ月になる息子はまだこの事実を知らない。彼が今日帰宅した時、すでにママは家にいない。挨拶もなく、突然いなくなってしまったのだ。その現実に胸が張り裂けそうになった。

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海パパ

1980年生まれ。脱サラ育児を決行した帰国子女クリエイティブ・ディレクター。
現在は「働く主夫」として育児と仕事の両立に奮闘中。
最近第2児が誕生し、長男の時の教訓を生かしつつ東京パパの育児スタイルを模索中。

 
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