インタビュー

2016.12.23

西野亮廣が考える、これからの働き方【インタビュー前編】

細やかな猫写と感動する物語が描かれた絵本『えんとつ町のプペル』(発行部数23万部)、新しい形のビジネス本『魔法のコンパス道なき道の歩き方』(発行部数10万部)と立て続けにヒットを飛ばし、自らが指し示す新しい形の「芸人像」を作り出しているキングコングの西野亮廣さん。斬新でありながら、納得できる考え方を持つ西野さんに、働く女性へのアドバイスをもらってきました。

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好きなことでしか食べていけなくなる時代がすぐそこまできている

——常に今までにない道を切り開いて進み続けている西野さん。いま現在働いている女性に対し、アドバイスはありますか?

「僕らが子供の頃に親が言っていた、『好きなことをして食っていけるほど、世の中は甘くない』という発言の根底には、<給料=ストレスの対価>と思い込みがあったと思うんです。でも、ここからは人間にストレスがかかる仕事から順にロボットに代替えされていく。となると、人間に残されるのは、『とても仕事と呼べないような、好きなこと』で、それを仕事化していくしか道は残されていません。つまり、『好きなことをして食っていけるほど、世の中は甘くない』という考えは今の時代に照らし合わせた時に論理的に破綻していて、ここからは『好きなことでしか食って行けなくなる』という、そういう時代が来るという話です。なので、好きなことを仕事になるまでやるという考え方にシフトした方がいいと思います。仕事にストレスを感じている時点で、未来対応できていない。アホのジジイです」

——今の働く女性って、仕事に対して生まれるストレスよりも、職場での人間関係から生まれるストレスの方が多いような気がします。

「それはダメだ! それはもうダメ(笑)。今、この瞬間に会社を辞めた方がいい」

——そうは思っても、なかなか実行できる人は少ないです。

「そこで必要なのは『勇気』ではなくて、『状況把握』だと思います。状況が把握できていないから、勇気が必要になってくる。ストレスを抱えながらも働いている理由って、お金ですよね。でも、どうですかね。お金って、ストレスを抱えて得るほどのものですかね? お金の価値は今、どんどん下がっていませんか?」

――それはどういうことでしょう?

「う~ん…例えば、母親にカーネーションを渡す時って、カーネーション代を母親に請求しないですよね? あとは、家の前を掃除しているときに、隣の家の前の落ち葉も一緒に掃除をしたからといって、隣の家に清掃代金を請求しないですよね? ところが、他人にカーネーションを渡すとなると、とたん、カーネーション代が発生してくる。全然知らない人の家を掃除するとなると、とたん、清掃代金が発生してくる。つまり、『お金』を発生させているのは『距離』で、そして今、インターネットによって国民総お隣さん時代になったので、昔に比べて『距離』が無くなった。これは、『お金の出番が減った』とも言えるでしょう。昔の田舎の集落のようなイメージです。そんな時代ですから、ストレスを抱えながら『お金』を取り行くようなバカなことはとっとと辞めて、『信用』を取りに行った方がいいと思います

――実際に、西野さんはクラウドフアンディングで、個展の資金(※支援総額4637万3152円、支援者数6257人《国内最高記録》)を集めました。信頼があるからこそ、集められたということですね。

「もちろん皆様のおかげですが、『信頼があるからこそ…』という点は、そのとおりだと思います。勘違いされている方が多いのですが、クラウドファンディングは『金の成る木』ではなくて、『信用をお金に代える装置』だということ。そもそも信用がなければウンともスンともなりません。信用のリトマス紙ですね。『お金とは何か?』『なぜ、お金が必要なのか?』そういった事柄をもっと深堀して、答えが見えてくると、この時代にストレスを抱えながら働くことがいかに無意味なことなのかが理解できると思います」

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理解さえできてしまえば、勇気は必要ない。

——なるほど。それは西野さんの著書『魔法のコンパス』で書いている<信用=お金>につながるんですね。

「僕が書くよりも前に、『クレジットカード』という単語がすべて説明してくれていると思います。クレジットを訳すと『信用』です」

——とはいえ、最初に何をしていいかわからない人も多いと思います・・・。

「それはとても簡単な話。目の前に困っている人がいたら、自分なりの方法で助けてあげればいい。昔、爺ちゃん婆ちゃんに<情けは人の為ならず>と教えられましたが、まさにアレです。親切が巡り巡って自分に戻ってくる…ひと昔前なら、どこか綺麗事のような響きがあったのですが、今は、たとえばクラウドファンディングであったり、たとえばオンラインサロンであったり、信用をお金化する為の装置が揃っているので、親切が自分に戻ってくることの説明に説得力が出た。困っている人がいれば助け、自分から与え、信用の面積を広げた方がいいと思います」

——多くの人がそう考えるようになったら、きっといろんなものが変わっていきますよね。

「僕はそうなると信じています」

嫌われることを怖いと思ったことがない

——西野さんは、著書『魔法のコンパス』でお金の話をしっかりとされていますが、普段はなかなか言いづらいことですよね。

「夢を叶える為には切り離せない要素なので。本当なら、小学校から『お金』の話は絶対にするべき。だけど、学校の先生は教えない…正確に言うと、教えられない。なぜなら、学校の先生が一番苦手な科目が『お金』だから。学校の先生になられる方は、研修として、一度社会に出た方がいいと思います。学校の先生はお金の話をせず、<夢を追え>と話します。夢を叶える為に必要な生活費や、活動費用はそっちのけ。結果、夢が遠退いてします。僕は夢を実現させる為に必要なお金の仕組みや、僕が本を作るためや、個展を聞くためにどれだけお金がかかったかということをしっかりと書きます。でも、そういうことを書くと、『お金の話をするなんて、汚い』と言う方が一定数いらっしゃいますね。ものすごくアホなんだと思います」

——嫌われキャラとしても浸透していますが、嫌われることって、怖くないですか?

「全然(即答)。アカの他人の声よりも、呑み友達と一緒に見ている末来を実現させることに興味があるので」

——そうですね(笑)。でも、嫌われたくない、というのは当たり前の感情では?

「そういう感情を壊せる人が、新しいものを生める人なんだと思います」

後編に続く

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Profile
西野亮廣(にしのあきひろ)…お笑い芸人、絵本作家。1980年 兵庫県生まれ。1999年梶原雄太とキングコング結成。2001年フジテレビ系「はねるのトびら」にレギュラー出演し、大ブレイク。2005年にブログ「西野公論」を立ち上げ、話題となる。その後、5年の月日をかけて制作した絵本「Dr.インクの星空キネマ」を発表したことを皮切りに、絵本作家としての活動もスタート。現在は、ニューヨークで個展を開催するなど、お笑い芸人の枠を越えたマルチな活動で人々の関心を集めている。泣けるビジネス書と話題の「魔法のコンパス 道なき道の歩き方」西野亮廣著(主婦と生活社)が大好評発売中。ブログ▶http://lineblog.me/nishino/

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撮影/深山徳幸 文/高橋あや

 
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