グルメ

2017.04.10

貴重! 老舗「とらや」の生菓子作りの舞台裏を見学。春のはじまりを和菓子から感じよう

羽佐田 瑶子

働くアラサーである担当者は、大人のたしなみといいますか、年相応の趣味を持ちたくて、最近茶道を習い始めました。茶杓の銘やかけ軸、生けられた花などから季節を感じるようになります。特に「主菓子」は御茶の前に出される客人へのおもてなし、季節に合わせたものが出されるため、もっとも季節を感じやすいもののひとつです。

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今回、とらやより春のお茶会へのお誘いをいただきましたテーマは「おいしい春をさがしに」。毎年季節に合わせた様々な和菓子を提供しているとらや。今年はどんな春の主菓子をいただけるんでしょうか。たのしみに参加してまいりました!

まずは、職人による生菓子のデモンストレーションを見学

赤坂にあるとらや元赤坂一丁目店で行われた春のお茶会。今回のお茶会では、季節の羊羹を中心に春にちなんだ和菓子もいただけるとのこと。入り口や会場の端々に桜の花が飾られ、奥の壁ではとらやに伝わる菓子見本帳に描かれた季節の菓子の意匠が、その銘や由来と共に紹介されています。

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まずは、とらやの職人による生菓子のデモンストレーションを拝見しました。1つ目が「きんとん製」という製法の和菓子。今回は「遠桜」をつくっていただきました。細長くそぼろ状にした餡を餡玉につけていくもので、動きのある可愛らしいかたちの和菓子になります。

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このそぼろ餡、とってもくずれやすいそうで、実はひとつひとつお箸でつけられているそう。なんと手間のかかることでしょう、と驚きましたが、手際よくふんわりまあるく職人さんは仕上げられていきます。2色の濃淡ある色合いが新鮮で、他ではあまり見ないかたちの和菓子です。

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続いては「羊羹製」という製法の「手折桜」をつくっていただきました。一般的にはこなしと呼ばれる製法で、最も一般的な製法のひとつです。着色したり、巻いたり、包んだりできるので上品かつ華やかな菓子ができあがります。

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▲『熊野桜』の木型

とらやでも様々な製法がありますが、木型職人によってひとつひとつ手で彫られた木型を受け継ぎ和菓子をつくり続けています。年季がはいっていますが、とても綺麗! 大切に使用されているのが感じられます。

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練った餡を木型にはめ、ゆっくりと押して型をとります。手の上で細かいところを成形し、完成。明治42年の記録にその名が残る「手折桜」の完成です。

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葉にみられる網目状の脈や花びらの柄、ひとつのアート作品のような繊細なつくりが、美しいとらやの和菓子を支えていると感じます。

手土産の定番「とらや」の羊羹は、こんなに種類が豊富だった

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とらやといえば、季節の羊羹も欠かせません。色合いだけでなく、香りや名、歴史的な背景などそのひとつひとつに様々な意味合いが込められた季節の羊羹は、いただくことに感謝の気持ちが宿る、とらやを代表するうつくしい菓子です。今回なんと、季節の羊羹が1年分勢揃いに! その光景は、まさに美しき日本を感じます。

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満開の桜に浮かぶ朧月をイメージした「春の宵」や、江戸時代の厄除招福を願う行事で食べられたものを再現した「嘉祥蒸羊羹」など、その季節ならではの意味が込められた羊羹は見た目だけでなく、そのストーリーも含めて味わい深いものです。手土産に羊羹をお持ちする際は、ぜひお話も交えてお渡ししてみてください。

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▲写真は『桜の里』

今回いただいたのは、3月の季節の羊羹「桜の里」でした。桜が爛漫と咲き誇る山里の情景を、桜色と緑の配色で表現しています。塩漬けにされた桜の葉が細かく刻み入れられ、甘い餡のアクセントに。道明寺製の桜餅にも似た味わいは、歯ごたえがありかつ甘すぎない味わいでした。

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パッケージデザインの監修は葛西薫さん。羊羹の色合いを活かしつつ、そのものに込められた物語を感じるデザインは手土産にもぴったりです。
とらやの和菓子は色や素材だけでなく、ひと口いただくだけで、その季節の情景を思い出すようなものばかり。季節のはじまりを、和菓子から感じてみては?

お問い合わせ先は公式サイト「とらや『おいしい春をさがしに』

Writer  羽佐田 瑶子

 
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