笑いのブン学

2016.12.07

銀シャリ優勝おめでとう! しゃべくり漫才の復活をみせた、M-1|笑いのブン学【23】

小林 文 ファッションエディター 

今年の夏、久しぶりに幼稚園時代の友人Sちゃんに会いました。転勤族だった彼女とは小学校以降ずっと離ればなれで、文通(!)くらいはしていたけれどなかなか会えず。母親同士が未だに定期的にやりとりをしているおかげで近況はいつも知っているからか、今でも「仲のいい友達」として近くに感じていました。そんなSちゃんと再会することになったのは、旦那さんの仕事の都合でブラジルへ引っ越すことになったことを知ったから。Sちゃんは「文ちゃんにぜひ会いたい」と連絡をくれ、Sちゃんママも一緒に会うことに。Sちゃんママは幼稚園時代の私たちの数々のいたずらっ子伝説(?)をたくさん聞かせてくれました。自分たちではまったく覚えていないことを大人っていうのはよく覚えているものです…。「文ちゃんが変わらず、天真爛漫で安心したわ」とSちゃんママは言ってくれたけれど、そんなことはなかったんです。小学校以降の私は環境に応じて自分のキャラクターを変貌させる、でもそれによって自分が疲れちゃう…という器用貧乏な子どもでしたから。

銀シャリは「同じことをしているのに進化している」

…ってなんでこんなことをつらつらと語ったかというと、先日12月4日(日)のM-1グランプリ2016を観て、変わらないことの潔さ、強さに気づかされたからです。

ginsyari

提供:M-1グランプリ事務局

銀シャリ優勝予測についてコラムはこちら

ここ数年の賞レースは4分間でどれだけボケてツッこむかの畳み掛ける系が多い傾向にありました。私の感覚だと、これは2008年のNON STYLEさんからの大きな時代だったように思います。スピーディな展開は若者を中心に人気になりましたよね。でも、今年のM-1は銀シャリさんの優勝で久しぶりに「しゃべくり漫才」が復活の兆しを感じました。「◯◯のシーンをやってみよう」というコント漫才ではなく、いつだってあくまで「鰻」「橋本」のままマイク一本で戦う。「変わらないのにちゃんと毎年変わっているからすごい!」と審査員の博多大吉さんに言わしめたほど

私も器用貧乏な学生時代や転職を経て30歳を過ぎ、大好きな「ファッション」や「お笑い」に全身全霊を注げるようになった今、やっと幼稚園児のころのみたいに、自分に正直に生きられるようになった気がします。だからこそ改めて、銀シャリさんの「ずっと変わらない」ことの力強さがまぶしく感じるのです。

観客や時代に迎合することなく、でも自分たちの芸に磨きをかけることは決して怠らない。一番理想的で一番難しいことをやって頂点をとった銀シャリ。清々しい、文句なしの優勝でした。トロフィーを渡す際、審査員の中川家礼二さんが「売れても漫才は続けてください」のひとこと、私も同意です!

小林 文 ファッションエディター

5年半の間営業職として勤めた会社を退職後、Oggi編集部へ。編集アシスタントを経て、Oggiのファッションエディターとして独立。「自分が読者だったらこんなページを見たい!」という気持ちを忘れず、リアル読者だったOL経験をいかして、日々楽しみながら邁進中。1985年生まれ、名古屋出身の31歳。インスタグラムは@kobayashi_bun

 
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