猫コラム

2017.05.19

とある町ネコの1日から考察するネコ時間・・・ネコテキvol.33

マツオアヤ ネコラムニスト

【タキシードを着たネコ】

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黒いタキシードの手入れを丁寧に行うことから我輩の1日は始まる。

やはり袖口や裾はぴっしりとしなくてはキマらない。日々のブラッシングが大事なのである。

我輩の仕事は日々多忙である。

朝は4時、ニンゲンという生き物が寝静まった頃(*1)にまずは町内の見回りに出かける。昔はこのあたりをうろつく若ネコどもを追っ払うのも日課だったが、ここ最近はとんと同胞を見ることも少なくなった。

たまに来る「マックロクロスケ」—本名は違うが通りすがりのニンゲンがそんな風に呼ぶーとちょっとしたボクササイズを楽しむくらいになってしまった。

朝6時頃からちらほらとニンゲンたちも我輩の縄張り前を通り始める。

この頃には我輩は黒い扉の前で背筋を伸ばして彼らを見送るのだ。と言っても“忙しい”が口癖の彼らは、我輩の姿など目に入らないようだが。

お日様もすっかり昇った頃は最も大事な仕事、「お昼寝」をせねばならぬ(*2)。我輩のタキシードは十分な睡眠とたっぷりの栄養が必要なのだ。

ちなみに我輩たちはあまり「熟睡」はしていない(*3)。であるから「猫好き」とやらが触ってきそうな時や、何か害をなそうとするものに対しては素早く対応する。まあこの街でそんなことが起きたこともないのでここ最近はぐっすりと眠らせていただいているが。そのせいであられもない姿を撮りたがるヘンタイ(*4)も増えてきた。まあいい。

さて、そろそろ日も暮れた。この頃が我輩たちにとっては最も張り切る時間帯である(*5)。昔はネズミ狩りが最も楽しみだったがここ最近はぐんと数を減らしている。ああつまらない。とはいえ何か見つからないか近所をぐるりと散歩でもしてみる。この時間のニンゲンたちは朝よりも個性が増えている気がする。

疲れ切った顔をしているもの、お酒とやらを飲んで楽しそうにするもの。また“学校”や“職場”とかへやらバラバラに出かけた家族が(再び)会える時間を楽しんでいるのを見るのは楽しい。

ただ疲れた顔をしているニンゲンは、もっとお昼寝をすればいいのに、と思う。

月が昇った後は、その日の体調により夜寝をしたりしなかったり。
さて、今日はタキシードの襟部分のフサフサ感がちと足りない気がしたので4時ごろまで寝るとしよう。

とまあ我輩の1日はこんな風なのである。

最近は「ネコブーム」とやらで我が同胞を家族に迎えるニンゲンが多いそうだが、願わくば我輩たちのネコ時間を理解して共に歩んで欲しいと思う。

〜〜終わり〜〜

*1
ネコの活動時間のひとつが早朝(明け方)である。本来狩りをする生き物なので鳥などの小動物が活動するこの時間帯は重要な活動時間だそうだ。室内飼いの猫もこの時間帯に突然走りだしたりすることも。起こされる飼い主は辛いが、ある意味本能の運動なのでたまーには多めに見てあげましょう(小生宅は猫なで声で呼ぶと収まります)

*2
ネコは「寝子」とも書くほど寝る生き物。あの小さな体で狩りをするために活動時間以外は寝て体力を蓄えているとか。よく寝るネコは長生きするとも言われているので、お昼寝タイムはそっとしておきましょう 。

*3
よく寝ると言っても、熟睡はあまりしていないそうな。うとうと寝がほとんどだとか。飼い猫でも、寝ていると思ってカメラを向けるとその気配を察してパッと目を開けることがある。このうとうと寝でも十分からだが休まっているのでいくら可愛くてもちょっかいを出すのはほどほどに。

*4
小生のことである。近所のタキシードを着たようなこの猫が好きすぎて時間問わずよく観察しに行っている。タキシードくんとよく喧嘩している黒猫を「マックロクロスケ」というひねりのない名前で呼んでいるのも小生である。

*5
夜行性と思われがちだが、その少し前の日暮れ付近がネコの活動時間なんだとか。近所のノラたちもこの時間帯によく道端で遊んでいる。

【ストーリーは完全なる小生の妄想です】

マツオアヤ

ライター/エディター/コラムニスト
こらえ性のない飽き症という特性を生かして、雑誌からカタログ、ウエブコラムまでつれづれなるままに活動中。夫婦料理ユニット「#サイトウのゴハン」ディレクター。ネコテキインスタグラムはこちら

 
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