ファッション

2016.11.16

ニット美人はお手入れ上手|素材と用語を学んで、ニットへの見識を深める

同じデザインでも、原料によってまったく違う表情になるのがニットの面白いところ。ニットによく使われている素材(糸)の概要、お手入れのコツを、ニット専門ブランド〝スローン〟の大貫 雄さんにコメントしていただきました。

保温性が高く秋冬ニットとして活躍【獣毛繊維系】

羊(ウール)をはじめとする、動物体から得られる繊維のこと。吸湿性が高いので、縮みやカビなどの経年劣化に注意が必要。


ウール

最もポピュラーな獣毛繊維「ウール」
羊の毛を紡いだ糸。縮れて毛がからみ合っている羊毛は、保温効果が高く、伸縮性に富んでいる。飼育地によって品種が決まり、種類も多い。中でも「メリノ種」は、世界最高品質として名高く、一般的な流通量も多いので有名。

お手入れのコツ
「繊維がしっかりしていて取り扱いがしやすいので、自宅でも気軽に洗える」

カシミア

希少な高級素材「カシミア」
元々は、インドのカシミール地方に生息する、山羊の産毛だけを採取したやわらかい毛。羊の毛よりさらに細かく、光沢があって肌触りがよいのが特徴。現在は、中国、モンゴルなど多くの地域で飼育されている。

お手入れのコツ
「やわらかく繊細な糸なので、シワ取りはニットに強い力を与えないスチームアイロンで」

モヘア

今季流行の毛足長めの糸「モヘア」
アンゴラ山羊の毛を使用した糸。毛が長くて太く、縮れが少ないため保温性は低いが、なめらかさ、やわらかさ、軽さが特徴で、エアリーな雰囲気を楽しめる。シルクをしのぐほどの上品な光沢で、夏物の紳士服にもよく使用される。

お手入れのコツ
「繊維が長く抜けやすいので、抜け毛をほかに付けないよう、こまめなブラッシングで除去を」

ハリや強度を出し、モダンなデザインに【化学繊維系】

木材、石炭、石油などを原料に、人工的につくりだされた繊維のこと。デザインによって、天然繊維と混合して使用されることが多い。

poli

光沢があって強度がある「ポリエステル」
麻やコットンに似せて開発された、石油を原料とする比較的安価な化学繊維。マイクロファイバー(超極細繊維)が主流で、ハイゲージニットに適している。デザインの型崩れを防止するために使用されることも多い。

お手入れのコツ
「速乾性があって、カビや害虫に強く、シワにもなりにくいので、洗濯&保管がラク」

 

aklil

ふんわりとしてウールに似た雰囲気「アクリル」
ウールに似せて開発された、アクリロニトリルという石油からつくられる、比較的安価な化学繊維。ふわっとした感触が得られて保温性があるので、ローゲージニットに適している。染色性に優れ、鮮やかな色出しに向いている。

お手入れのコツ
「ポリエステル同様の性質のため、扱いが容易。ウールのように毛玉がたつのでこまめに除去を」

通気性・吸湿性が高く、春夏ニットとして活躍【天然繊維系】

自然界から産出される素材、植物・虫などから収穫されて紡がれる糸。

繭玉から生まれる高級繊維「シルク」
蚕がつくる繭玉を煮て、繊維をほぐしてつくられる糸。獣毛に比べると繊維が長く、光沢感と、なめらかな肌触りが特徴。糸には重量感があり、ドレープが出やすい。

お手入れのコツ
「水ジミになりやすく擦れやすい。デリケートな高級素材のお手入れはプロに任せて」

 

cotton

綿花が原料のやわらかい肌触り「コットン」
綿の種子に付く毛からつくられる繊維。繊維が短いので、毛羽があるけれどやわらかい肌触り。春・夏・秋と長い期間着用できる。近年は、加工されたドライタッチコットンなども流通。

お手入れのコツ
「水で縮みやすい素材なので、乾かす際は形を整えてから陰干しして自然乾燥を」

知っておくとちょっとタメになる ニットに関する用語集

【リンキング】伸縮性を損なわないよう、両方の編み地のループを同時に刺してとじ合わせる、ミシンのかがり縫いのこと。ネックやそでなど、一般的なニットのパーツの結合に使われる技術。

【ゲージ】編み機による、ニットの編み目の密度を表す。数字が大きくなるほど編み目が細かく、低くなるほど粗くなることから、「ハイゲージニット」、「ローゲージニット」と呼ばれる。

【番手】糸の太さを表す単位。数字が大きくなるほど糸が細く、小さくなるほど太くなる。ニットは、番手とゲージ、素材の組み合わせ方によって、表情もデザインも手触りも大きく変化し、そのマッチングが仕上がりを大きく左右する。

【梳毛糸(そもうし)】・【紡毛糸(ぼうもうし)】梳毛糸とは、繊維が長くて光沢があり、毛羽の少ない糸。紡毛糸とは、比較的毛羽がある糸。前者は、光沢に高級感があって目が均一なので、ハイゲージニットやきれいめの衣料に使用されることが多い。後者は、短い羊毛繊維が主で、保温性が高くふんわり暖かいのでローゲージニットに使用されることが多い。

【混紡糸】2種以上の異なった繊維素材を組み合わせて紡績された糸。天然素材単一より、化学繊維を混ぜるほうがシルエットが美しくデザインできる、劣化しづらい、などのメリットがあり、アイテムの多様化に合わせて増えている。

2016年Oggi12月号「ニットはもっと素敵に着られます!」より。
【本誌掲載時スタッフ 撮影/諸田 梢(取材) 構成/村上花名(Oggi)】

Oggi12月号

アラウンド30歳からの働く女性に向けて、シンプルでセンスのよい、ベーシックなファッションを提案する月刊誌。トレンドを追いかけるのではなく、「着る人が素敵に見える」「本人も周りも心地よい」スタイルを追求している「Oggi」の試し読みと購入ができます。

 
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