しごとなでしこ - SHOGAKUKAN

日本IBMでコンサルタントとして働く|働く女性ファイル

今を生きる女性にとって「キャリア」って何だろう? 「都心で働くアラサーしごとなでしこ」の仕事人生に迫るこの連載は、友人を紹介いただくリレースタイルで展開しています。今回はパラサポ勤務の前田さんからのバトンタッチで、日本IBMでコンサルタントとして活躍する、小川佳子さんにお話を伺いました。

最先端のグローバルなIT企業で、人事や組織に関するコンサルティング職として奮闘中

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小川佳子さん(27歳)
日本IBM株式会社
グローバル・ビジネス・サービス事業部
戦略コンサルティング・サービス コンサルタント

PROFILE
大学卒業後、新卒で日本IBMにコンサルタントとして入社。人事組織戦略コンサルティングチームに配属となり、これまでに製造業や通信・サービス業等、約20社に対して人事や組織領域に関するコンサルティングサービスを提供している。
―現在の仕事内容を教えてください

IBMと聞くと、ITシステムのイメージが浮かぶかもしれません。でも、コンサルティングからシステム構築、最先端の研究まで、実は幅広いサービスを提供させていただいているんです。その中でも、私は人事や組織に関するコンサルティングを行う部署で約4年間、営業部門の生産性向上のために変革施策を提案するプロジェクトや海外の人財管理方針策定プロジェクト、IT人材育成の仕組みを整備するプロジェクトなどに携わってきました。

「企業の困った!」を解決するコンサルティング業務は、依頼先の現状や求めるニーズを理解するため、詳細なヒアリングを行うことから始まります。クライアントの方との対話を通じて解決すべき課題を明らかにしたうえで、問題の背景や側面を掘り下げ、原因を分析していきます。そのうえで、現場にフィットする解決策を提案していくというのが一般的な流れです。

扱うのは主に「人事や組織の変革に関するプロジェクト」ですが、プロジェクトごとに一緒に働くメンバー、勤務地や内容、そして私の役割も大きく異なるのがこの仕事の特徴です。まるで3か月に一度転職をするようなつもりで、気持ちの切り替えをしながら取り組んでいます。

子供時代お世話になった「駄菓子屋のおばさん」がコンサル職の原点

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―今の仕事を選んだきっかけは何でしたか?

いくつかきっかけがあるのですが、ひとつは、小さいころお世話になった駄菓子屋のおばさんですね。小学生から高校生までいつもたくさんの子供が集まってくるようなお店で、おばさんに何か相談すると、どんなことでもアドバイスをくれたりする。「コンサルティング」という言葉は知りませんでしたが、その光景が「駄菓子屋コンサルティング」みたいに見えて、私も将来そんなことをしてみたいなと、ぼんやり思ったのがはじまりです。

父が転勤族だったことも、仕事選びに影響している気がします。小学校時代は引っ越しが多く、新しい土地に行くたびに人や環境を観察する習慣が自然と身につきました。人を知ることはその集団の理解にもつながる。それをふまえて、その場所で自分をどう表現していくのか、常に考えているような子供でした。“人”や“集団”は、考えても考えても答えがない不思議なものであり、もっとそれについて深く知りたいと思っていたんです。

大学時代のアメリカ留学経験は「人生を主体的に楽しんで生きる」考え方に影響しました。子育てしながら大学に通う女性や、ドイツ語や哲学を勉強してから機械工学の勉強をする人たちに出会って、「生き方はいろいろあっていいんだ。自分の興味関心に合わせて人生を自由に組み立てるライフスタイルって、素敵だな」と。そしてそんな生き方をするためには、世界中どこでも働けるような、専門性のある人間になる必要があるんじゃないかと考えたのです。

留学中に起こった東日本大震災。自分の中の「日本」を見つめ直すきっかけに

東日本大震災が起きたことも、大きな出来事だったように感じます。そのとき「今ある環境は永遠には続かないもの。絶対的に変わらないものなんて、何もないんだ」と、すごく無常な気持ちになったんです。でもそのはかなさを忘れないことで、小さなことにも感動することができる。改めて、一瞬一瞬を一生懸命生きていくしか、自分にできることはないんだなと感じました。

当時は留学中だったこともあり、海外の友人から温かい言葉や、一方で冷静な意見ももらいまして。「私は日本が好きなんだ」と改めて自覚したことで、世界中の人に日本の良さを知ってほしいという気持ちが強まりました。将来はビジネス領域で人や組織を変革することで日本企業が海外に展開していく助けをしたいと思うようになり、それが今の仕事を選んだことにもつながっています。

ちなみに、大学時代に学んだことでコンサルの仕事に役立っているものといったら、政治学科で得た政治に関する知識でしょうか。意外ですか? 実は、政治には人の本質が表れると言われていまして、突き詰めると必ず「誰かの利害」にたどりつくんですよ。ですのでコンサルティングをしているときは「その方が何を利益に感じているか」を敏感に感じとり、それを考慮に入れて話を展開するよう心がけていたりします。

―密かにあたためている「夢」について教えてください

今いちばん強く思っていることは、日本に暮らすすべての人が、自由に主体的なキャリアを選択できるような社会の実現に貢献すること。というと、なにかものすごく固〜く聞こえてしまいそうですが、ざっくり言うと、女性だからとか、何歳だからとか、属性にとらわれずに自由に、「自分の好きなこと」を仕事として選べる世の中になってほしいなと思っているんです。

プライベートでは「Global shapers community」という、「世界経済フォーラム」によって任命された、33歳以下の世界中の若手リーダーが所属するコミュニティの横浜ハブに所属しています。そこでの活動も「社会から期待される役割にとらわれないキャリア選択」をできるマインドをもった人を増やすことを目指して邁進しています。

たとえば今、私たちの世代はなんとなく「28歳までには結婚しなきゃ!」とか、思っていたりするじゃないですか。そういう今ある「当たり前」と思われていることが、実はどのような歴史的制度によってつくられたのか。日本の労働制度の歴史的変遷によって、男女に対する社会的期待役割の差がどのように変化してきたのか、みたいなことを考えるのも、すごく好きなんです。

仕事のマストアイテムは、気分を上げてくれるハイヒール

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―ズバリ、あなたにとって、仕事とは?

今まで知らなかった自分に出会わせてくれる「手段」のようなものだと思っています。新しいチャレンジを繰り返していくことによって、自分自身も常に新しく変わっていく。そんな感覚をもちながら日々仕事に取り組んでいます。5年後は、自分の好きなことを仕事にしている人が増えるような仕事をしていたいです。もっと言えば、日本人だけでなく、海外の人からも「自分の好きなことを実現するために、日本企業で働きたい!」と思ってもらえるような仕組みづくりに貢献するような仕事をしていたいですね。

仕事柄なのかプライベートでも、親しい友人の相談に乗ることが多いでんです。たとえば「今日、会議がうまくいかなかった…」と聞けば、「わかった。一緒に考えよう!」と、なぜそうなったのか、どうすれば会議がうまく運ぶのか、一緒に作戦を考えたりしています。今、話しながら気がつきました。プライベートでも無意識にコンサルティングをしているかもしれません(笑)。課題解決のために作戦や戦略をたてるのは、もうごくふつうに生活の一部になっているのかもしれませんね。

改めて考えてみると、コンサルタントという仕事は、思考の結果に対して報酬をいただく職業です。自分次第で高い価値を提供することもできれば、逆にマイナスの価値を提供してしまうこともある。実はものすごく怖い仕事なんですね。果たして自分のアウトプットは、お客さまからいただく対価に見合っているのかどうか。プレッシャーや不安などを感じることもありますが、気分が落ち込んでいるときには、ヒールの高い靴を履いて背筋を伸ばして、元気を出しているんです。左右で足の大きさが少しだけ異なるので中敷きでちょっと調整してみて、足を入れてラクなものを選んでいます。今日もお気に入りのヒールを履いて、笑顔でがんばりたいと思います!

撮影/豊田亮 取材/谷畑まゆみ

谷畑まゆみ フリーランスエディター

編集プロダクションで女性誌編集者としてキャリアをスタート。Oggi、Domani、Preciousなどで読み物企画を担当。働くこと、産むことにまつわる30代女性の本音を掘り下げる連載を担当して以来、「女性の生き方」企画がライフワークに。
心理学を学ぶために40代で会社を離れて大学院へ。目白大学大学院心理学研究科にて「30代女性の主観的幸福感」について論文を執筆。修了後はキャリアコンサルタントや産業カウンセラー資格を取得し、心理学の知識をもつエディターとして始動。現在は女性誌やWebメディアでの編集・執筆に加えて、国際NGO法人のオウンドメディアにおける編集コンサルティングのほか、心理援助職としても活動中。

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