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イヴ・サンローランの映画に出演したギャスパー・ウリエルの来日インタビュー

『たかが世界の終わり』出演の俳優ギャスパー・ウリエルが来日

『ハンニバル・ライジング』(2007年)で猟奇的殺人鬼ハンニバル・レクターの若き日を演じ、世界的に知名度をあげた俳優 ギャスパー・ウリエル。その後も多くの作品に出演し、2014年には『SAINT LAURENT/サンローラン』でファッションデザイナーのイヴ・サン=ローランを魅力的に演じていました。最新出演作『たかが世界の終わり』では「もうすぐ死ぬ」と伝えるために12年振りに帰郷する作家ルイを好演。昨年12月に来日した際のギャスパーのインタビューをお届けします!

01

 

──本作は、『Mommy/マミー』を始め今世界中に衝撃を与え続ける作品を作る天才グザヴィエ・ドラン監督作です。撮影前は彼に対してどのようなイメージを持っていましたか?

ギャスパー「彼の作品はデビュー作から全て観ていますが、若い世代のフィーリングを作品に投影させているので、全く受けつけない人もいれば、大好きな人もいるという両極端な反応を観客から得ているイメージをもっていました。個性的で類い稀な監督ですが、常に作品のテーマを変えて新しい作品を撮るのではなく、毎回同じテーマを掘り下げていっているように思います。彼が作品を発表するたびに映画監督としてどのような成長をしているのか、その歩みを見届けることができるのもすばらしいことです。僕は好きな監督ができると、その監督の初期の頃の作品を見るようにしていますが、初期作品には監督のやりたいことが全部つまっていると感じることが多いんです。不器用な中にも現在の作品に繋がるような前兆みたいなものが現れているんですよね。少し話は逸れましたが、グザヴィエと同じ時代に生きてるからこそ彼の作品をリアルタイムで観ることができるのですごくうれしいです」

──実際にドラン監督とお仕事してみていかがでしたか?

ギャスパー「グザヴィエは彼自身の撮った作品とよく似ていると感じました。何かを恐れて後ずさりするようなことは一切無く、妥協もせずに本能で動く人。だからこそ彼の作品は観客を感動させることができるんだと思います。自分そのものを投げ出して作品を撮っているような監督で、物事に対してハッキリと断定的な意見を持っている人です」

──ルイは口数が少ないので表情で見せるお芝居が多かったかと思います。最初に脚本を読んだとき、どう演じようと思いましたか?

ギャスパー「最初にこの作品のお話を頂いた時から『君が演じる役はすごく台詞が少ないんだ』と聞かされていました。ルイは他人の話に耳を傾けて、それに対してリアクションをすることが多い。なので、ルイの心理的な面に関しては撮影前にグザヴィエとよく話し合って決めていきました。現場ではルイの内面ではなく顔の表情の作り方や表層的な面での演出が多かったように思います。周りのキャスト達のリアクションを受けて演じていたので、ルイが生まれてから帰省するまでの間に家族とどういう関係を築いてきたのかを自分の中でしっかりと作り上げておくことが役作りのキーポイントになりました」

02

 

──ドラン監督の作品は音楽が印象的に使われていますが、この作品にも多くの楽曲が使われていますよね。

ギャスパー「そうですね。彼の作品では音楽がとても重要なポジションを占めていると思います。脚本にもシーンごとにどういう音楽が流れるのか書いてありましたし、現場にiPodとスピーカーを持ち込んでイメージに合った音楽を流していました。そのせいで録音技師がイラっとすることもありましたけど(笑)。でも、音楽を現場で流すことによってスタッフも役者も同じ雰囲気の中で撮ることができるんです。同じ空気感を共有できるというか。ただ、実際の劇中で使われているオリジナル映画音楽ではなくて、撮影中はイメージに合った既存の音楽を流していました」

──音楽だけでなく、ドラン監督の作品は光の使い方も印象的です。

ギャスパー「光の演出に関しても最初からシナリオに書いてありました。『天空からの光のような雨が降ったあとの夕暮れどきのピュアな光の感じ』といったようにわかりやすくて美しい表現が書いてあったので撮影前からイメージすることができたんです。後半では神秘的なオーラを帯びた光の演出をしているのが印象的ですよね」

──光の演出で好きなシーンは他にもありますか?

ギャスパー「最後のシーンの光の演出は『トム・アット・ザ・ファーム』に近いような気がします。『Mommy』ではカラフルでもっと光に溢れたシーンが印象的に使われてましたけど、今作では暗くて冷たい感じというか。ルイと母親が小屋で話すシーンでは暗くてコントラストが凄く強い光の使い方をしています。ルイの視線がカメラのほうに向いていって、その後で彼の主観的なショットに変わった瞬間にカーテンが少し揺れているシーンの光の演出もすごく好きです」

──では最後に今作を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。

ギャスパー「僕自身『わかるわかる!』と共感できる要素が沢山盛り込まれている作品です。きっとどんな人にとっても他人事ではないお話だと思うので、是非劇場で楽しんで頂けたらうれしいです」

どうしてもわかりあうことのできない家族のすれ違いの描写に胸が締め付けられる今作。孤独な作家ルイを美しく繊細に演じたギャスパーの演技を是非スクリーンでお楽しみください。

03

2月11日(土)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA、他全国順次公開

配給:ギャガ
監督・脚本:グザヴィエ・ドラン
キャスト:ギャスパー・ウリエル、ヴァンサン・カッセル、レア・セドゥ、マリオン・コティヤール、ナタリー・バイ
©Shayne Laverdière, Sons of Manual

Text:奥村百恵

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