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西井さつきさん(29歳)が海外経験ゼロでも外資系で活躍できる理由|働く女性ファイル

今を生きる女性にとって「キャリア」って何だろう? 「都心で働くアラサーしごとなでしこ」の仕事人生に迫るこの連載は、友達つながりのリレースタイル。第4回は、外資系化学メーカーBASFジャパンの京江歩佑美さんの大学時代の友人、ユニリーバ・ジャパンで働く西井さつきさんにお話を伺いました。

海外経験がなくとも、外資系企業で活躍できる理由とは…?

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西井さつき(29歳)
ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング株式会社
ホーム&パーソナルケア
アシスタント ブランド マネジャー

PROFILE
にしい・さつき/早稲田大学政治経済学部卒業後、ユニリーバ・ジャパンに新卒入社、マーケティング部に配属される。その後ラックスのヘアアイテムのマーケティングを約2年、ラックスのボディアイテムのマーケティングを約3年勤めたあと、今年5月よりダヴとポンズのマーケティング担当に異動。


―現在の仕事内容を教えてください

トータルビューティケアブランド「ダヴ」の洗顔料と、エイジングケアラインブランド「ポンズ」のメーク落としのマーケティングを担当しています。アシスタント ブランド マネジャーとして新製品の開発や製品の販売戦略、広告やPRを手がけることもあります。

―就職時にこの会社を選んだのには、何か理由がありましたか?

小さいころはアレルギー体質で、肌荒れしがちな子供でした。幼心にも“きれいな肌や健康であることは、人の気持ちを明るくしてくれる。それってすごく大切なことだな”と漠然と感じていたんです。高校時代は学校帰りにドラッグストアに立ち寄って、店内にずらりと並んださまざまなスタイリング剤やボディケア剤、お悩み解決コスメなどを見て回るのが好きでしたね。

ユニリーバは、私が興味をもっていた製品を扱う外資系企業で、そのマーケティングや開発に仕事として携われたら面白いのではないかと考えたんです。海外経験もなく英語は得意ではありませんでしたが、外資系企業で英語を使って働くことで、自分の将来の選択肢も広がるんじゃないかと、そんな期待感もありました。

―仕事に必要な英語はどのようにして習得したのですか?

半年間の研修終了後、まずは社内の外国人スタッフと仕事をする部署に配属になりました。英語が堪能な日本人上司が間に入ってくれて、最初は上司の背中を見てついていくような感じでした。英文メールを打つ際には、「ファイルを添付してください」とか「結論はこれです」「あなたの承認が欲しいです」など、使用頻度の高い定型文を書き出したノートをつくって、それを見ながら対応しました。退社後に英会話スクールに通ったり、自宅で英語を独学するのではなく、仕事を通じて生の英語に触れ、業務に必要な言葉や会話を実践でどんどん身につけていったという感じでしょうか。当時はまだ仕事にも慣れていないうえに英語の勉強もしなくてはならず、毎日が必死でした。

―英語環境に慣れてきたのはいつごろでしたか?

「ラックスボディ」の担当者として、海外のグローバルチームと仕事をすることになった入社3年目あたりからだと思います。それまで国内にいる外国人スタッフと社内で直接やりとりしていたのが、シンガポールやアメリカのスタッフたちとSkypeやオンライン会議、メールやチャットなどのツールを通じて意思疎通しなければならなくなったのです。

たとえば、担当ブランドの日本市場における販売戦略を立てるとします。その場合、まずは彼らに日本の入浴習慣の説明から始めるんです。アメリカでは朝シャワーを浴びる人が多いので、その前提で「1日中香りが続きます」という製品企画が出されてくる。でも日本の場合、お風呂は夜入る人のほうが多いですよね。そうなると昼までしか香りが持続しないことになってしまいます。

そこで日本の文化や習慣を説明し、それをふまえて着地点をすりあわせてまとめていく、その調整が大変でした。日本の消費者の感覚や習慣が伝わらないと、市場にフィットしない製品になってしまう可能性も出てきます。もう、これは恥ずかしがってる場合じゃないと腹をくくって(笑)、なりふりかまわず全力で意図を伝えようと。まさに“サバイバルイングリッシュ”だったと思います。

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消費動向データからは、消費者のリアルなニーズやライフスタイルがかいま見えてくるので、そんなところにもこの仕事の面白さを感じています。今年5月から洗顔とメーク落としのマーケティングを担当しているのですが、たとえば、肌の悩みは生まれもった肌質や年齢によって全く異なりますよね。そのため、洗顔に求められる効果も購入する価格帯も、微妙に違ってくるんです。データから把握した現状を分析して仮説をたて、それをもとに製品企画を提案しています。

試行錯誤が多い日々の中で、自分なりの達成感もありました。あるとき、桜にからめた日本発の季節限定の製品企画に携わるチャンスがあったんです。それまで日本発の製品展開が難しいブランドだっただけに、1年ほどかけてじっくりと準備しました。果たして製品発売後、その人気がアジアでもじわじわと拡大。市場は小さくても日本がトレンドセッターとなり、日本らしさを活かした製品がアジアに受け入れられた。頑張りが花開いたようなうれしさがありました

―まさに、グローバル企業で働く醍醐味ですね。

そうなんです。仕事人生の分岐点とも言える出来事でした。改めて考えると、マーケティングはチームで協力しないと形にはならない仕事なんですよね。でも私はもともと人を引っ張っていくようなタイプではないので、どちらかというと、周囲に助けてもらいながらやっている感覚がすごく強いんですよ。どうすれば、異なる視点や意見をもつスタッフたちに目指したいゴールに近づくための力を貸してもらえるのか。常に考えて、工夫しながらやってきました。

実は、以前は今よりももっとガンコだったので(苦笑)、自分の出した案を否定されたくなかったり、否定されることに怖さを感じるときもあったんですね。でも、最近は否定的な意見が出たら「なぜそう思うんですか?」と相手の意図を確認するようにしているんです。“みんな、よかれと思って言ってくれているのだろうから、恐れずに積極的に受け入れよう”と思考を変え、素直に受け入れるようになってから、仕事の循環が良くなったような気がしています。

―入社して6年。今、自分らしく働けている実感はありますか。

そうですね。仕事に対しては自分の力不足を感じることもたびたびですが、最近、後輩の育成にも携われるようになってきたので、新たなやりがいを感じています。ワーキングマザーの先輩上司が大勢いる環境は心強いですし、私も産んでも働きたいなと思っています。うちの会社には働く時間と場所を自由に選べる制度があるのですが、それをうまく使いこなせるかどうかは自分次第。私も、自分が自然体でいられる、自分なりの心地よいワークライフバランスのさじかげんを探りたくて、今はまだその真っ最中という感じですね。

仕事の味方は、背中を押してくれる占いと唇を守る2つのリップ

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ここ2年ほど、『VOGUE GIRL』に掲載されている「しいたけ占い」にハマっているんです。いつもちょっと背中を押してくれるようなひとことが書かれていて、異動したてでしんどかったときは「満点を目指さなくても大丈夫。自分なりにやっていけばいい」という言葉に励まされました。ちょっとユーウツな月曜の朝に「しいたけ占い」をのぞくと「ああ。今日も1日がんばろう」と思えてきて、不思議と乗り切ることができるんです。

私の部署はとにかく1日中会議が多くて、一度始まるとなかなかお手洗いに立つ時間もとれないんですね。それで会議がたくさんつまっている日には、一度つけておけばある程度カラーが長持ちする、ティントタイプのリップクリームを愛用しています。自社製品のヴァセリンのリップはもともと色がついているので、ベースとして下塗りしておくとさらに安心。このふたつは手放せません。

仕事を離れたプライベートでは、旅行の計画を考えている時間が楽しいです。海外に行くと、日本では当たり前のことが、ありがたく感じるときってあるじゃないですか。ごく普通に水が出たり電気がつくことに感謝できたり、扉を開けたまま走るバスに遭遇して「えっ、それでも大丈夫なんだ!?」と、目からウロコが落ちたるような気づきがあったり。いつもとは少し違う体験ができるような場所に行くのが好きなんです。最近アジア旅でリラックスしてきたばかりなので、次に行くなら少しベタですが、アメリカの西海岸やNYに行きたいなと思っています。

撮影/豊田亮 取材・文/谷畑まゆみ

谷畑まゆみ フリーランスエディター

編集プロダクションで女性誌編集者としてキャリアをスタート。Oggi、Domani、Preciousなどで読み物企画を担当。働くこと、産むことにまつわる30代女性の本音を掘り下げる連載を担当して以来、「女性の生き方」企画がライフワークに。
心理学を学ぶために40代で会社を離れて大学院へ。目白大学大学院心理学研究科にて「30代女性の主観的幸福感」について論文を執筆。修了後はキャリアコンサルタントや産業カウンセラー資格を取得し、心理学の知識をもつエディターとして始動。現在は女性誌やWebメディアでの編集・執筆に加えて、国際NGO法人のオウンドメディアにおける編集コンサルティングのほか、心理援助職としても活動中。

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